悲しいコイン集めても 何にも変えられず
内側。何もかも透明で掴めない。内に篭って自問自答をするくせに、誰かを通して自分を見ないと自分のことさえもわからない。必要以上に人目を気にして、なのに人を尊重しきれず人の内側に触れる方法も知らず、人との間にも確かな雨が降っていて、透明な壁を感じていて。自分の価値観からは逃げられなくて。この世にとって正しい事、価値が高いとされる事、そんな一般的な感覚が持てなくて。自分は人と同じになれないと嘆いて人を遠ざけて。
自分が底にいると思いながら、人と別の軸に自分を置いているから結局自分のことが一番可愛いんじゃないかと、まだまだ驕っている人間なんじゃないかと気づき、さらに己で己を底に落としていって。何も掴めない、ただ降り続ける雨の中に身を置くことしかできない。ただ、その雨を生み出しているのは自分自身でしかないことも分かっている。これからも透明を透明のまま連れていく事しかできないことはわかっている。透明な世界でどれだけもがいても何も起きないのに。空想妄想、己と己しかいない世界。己だけの世界だから一番安心できて、一番信じることができて、だけど全く満たされず、孤独しかない世界。私は私でしかないから結局ここに帰ってきてしまう。泥沼のように感じている。本当は何もなくて空っぽで、きっと本当は澄んでいて、でも濁っているとしか認識ができない。
自分と向き合うといえば聞こえはいいけれど、結局は自分だけの世界から出られない甘えた人間なんだなと嫌気がさす。