新呼吸

06:52

僕は僕にもなれずに 誰にもなれずに
どこにもいない気分を吸って吐いてる

毎日がなぜか満たされない。
どこか他人事のような毎日。
そんな自分から変わりたいのにな、自分の人生を生きたいのにな、変われない自分を恨みながら聴いていた。
何も積み重ねられている気がしなくて空っぽで薄っぺらな自分が嫌いで救いを求めていた。

今だから思うけど、変わりたいと思うと同時に、変わりたくないとも思ってたんだな。
あの頃の自分とかけ離れてしまうのが怖くて、私を私だと思ってもらえないのが怖くて。
目印として何を残せばいいのか分からなくて、何も変わらずいられることを願ってた。

でも、自分の中を占めているのは大半が嫌いな部分だったから変われない自分がどんどん嫌いになって。
なんて面倒な葛藤を今までしていたんだろうなと思った。

私は私の大切なものを守るために変わらなかった。
心は変わりたいとも願ってなかった。
頭では変わらなきゃいけないと分かっていた。

だから『新しい朝が来れば 僕は変われるかな』
自然な変化なら仕方がないと、少しずつ少しずつ受け入れていっていたんだな。
大きくは変われていない自分だけど、それなりに頑張ってた。

ある人に再会した日。変われると思った。
変わりたいなってやっと心から思えて、自分を迎えにいけた気がした。

この日を待っていたんだなと思った。
あの頃の自分と向き合って、あの頃の自分を客観的に見つめて、案外良いじゃんって思えて、やっと自分を許してあげられた。
初めて人生が他人事じゃなくなったように感じた。
これからは自分を生きていけるんだなって思った。

新呼吸は、単体で聴いたらどっちか分からないようにされてるけど、アルバムの作りでは最後にはループから抜け出せてるんだよね。
いつかそうなれるかなって希望をもらいながら聴いてた音楽。